【書評】クロックサイクルの速め方

読書

方法論には矛盾が残るが、音源は最高


久々に、評するのが難しい苫米地本だった。
速読の効用と、その具体的なテクニックが述べられているのだが、それと同時に、速読の根本的な欠点についてもハッキリと言及しているからだ。

「なぜなら、じっさい、速読を行い、読むスピードを上げれば、読書の質は浅くなります。ゆっくり読んだ場合と比べて、情報は落としやすいし、記憶にも残りにくいわけです」(126ページ)

それを補完するかのように、速読とは別のテクニックである「著者になりきって読む」(41ページ)方法が紹介されているが、それならば最初から、昨今の速読ブームに一石を投じる意味でも、著述そのもの、読書をする習慣そのものを尊重する構成にしても良かったのではないかと思う。

よって、本書は、速読という方法論そのものを称賛、奨励する目的で書いたものではなく、あくまでも「現時点では速読以上に効率的な情報収集方法が見当たらない」という割り切りで書いたものだと推測する。

とはいえ、付録の特殊音源の効果は秀逸で、まだ数回しか聴いていないにもかかわらず、明らかに「認識→判断→行動」のスピードが上がるのが実感できる。
本書の内容だけなら星三つと言わざるを得ないが、「本だけでは伝えきれない『実感』の部分を音源で補完する」という、著者お得意の方法論には成功していると思う。

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